今後のデザイナーに求められる「デジタルで映える服づくり」

今後のデザイナーに求められる「デジタルで映える服づくり」

スマートフォンが当たり前のように普及している現代、買い物をするのに通販ショップを利用する方が増えました。服飾系のアイテムに関しても例外ではありません。近年は通販ショップに限定して、服飾系のアイテムを販売している企業やメーカーもあります。
新型コロナウイルス感染症の流行による影響なども考えると、今後は通販ショップを利用した服飾系アイテムの購入が当たり前になると予想されます。

通販ショップで服飾系アイテムを販売する魅力

通販ショップの参入を検討する企業は増えていて、市場の規模も拡大しています。
通販ショップでの商品販売をする際に、メーカーとしてどのような魅力があるのかお伝えします。

顧客が増加する

顧客が増加するというのは、メーカーにとって最も大きい魅力でしょう。店舗まで直接足を運ぶ必要がないので、どこに住んでいる人でも顧客になる可能性があります。また、営業時間の縛りがないため、仕事や育児で忙しかったり、夜勤で時間帯が合わなかったりといった方でも、気軽に購入できるようになります。
いつでもどこでも購入できる便利なネットショップは、何かと忙しい現代人の生活に欠かせないものであり、全国だけでなく全世界を顧客とできるという大きなメリットを持ちます。

会計のミスが減る

実店舗を抱えていると、会計が合わないというミスは当たり前のものです。どれほど指導しようとも、現金の受け渡しやレジ入力などの間違いは避けられません。結局、レジの過不足を従業員のポケットマネーでごまかすという行為も行われています。
しかし、通販ショップではシステム上のエラーなどがない限り、会計の間違いが生じません。クレジットカードやQRコードを利用した決済で、円滑に取引ができます。会計のミスを減らすことで、トラブルや返金処理などを防止する効果が期待できるでしょう。

顧客情報を活かせる

顧客情報を活かせるというのも、ネットショップならではの魅力です。ユーザーがネットショップを利用するには、氏名・性別・年齢・住所といった情報を入力する必要あります。このようなデータを、ターゲットの分析やカタログの郵送といったことに活用すれば、より売り上げに繋がるでしょう。
また、顧客ごとの行動データなども蓄積されるため、購買意欲を刺激できるおすすめ商品を一人ひとりにご紹介することもできます。

通販ショップで服飾系アイテムを販売する懸念点

一方でメーカーとしては、通販ショップでの商品販売をメインにするのは、少しばかり不安が残ります。なぜなら通販ショップは、いわゆる「衝動買い」が起こりにくいと言われているからです。

商品を自分の目でチェックできない

衝動買いが起こりにくい理由の1つとして、商品情報が不十分であることだと考えられています。ネット上の情報だけしかないので、実際に実物をチェックすることができないためです。
特に服飾系のアイテムは、実際の色やデザイン、さらには装飾の細部までもが、消費者の購入意欲を掻き立てる要素となり得ます。通販ショップだと、どうしてもアイテムの隅々までを消費者に見せることが難しいため、衝動買いを誘導しにくいのです。

アイテムの良さを伝えづらい

もう1つ、通販ショップならではの問題と言えるのは、色やデザイン、生地など、アイテムの良さをそのまま伝えることができない点です。通販ショップで服飾系のアイテムを販売するメーカーは、写真を充実させることで、できるだけ消費者に商品の情報を提供しようと努めています。
しかし、写真では実物よりも色褪せてみたり、質の良さが伝えきれなかったりといったことが起こります。メーカーが良い商品を生み出したとしても、スマートフォンのようなデバイスを通してアイテムを見た消費者には、魅力が半減して見えてしまう可能性が考えられます。

このように、販ショップで服飾系アイテムを販売するにはいくつか懸念点が考えられます。
通販ショップで販売する服飾系のアイテムを、少しでも多くの消費者に手にとってもらう。そのために、今後はデバイスを通しても魅力的に見える、「デジタルで映える服づくり」が求められるのではないでしょうか。

デジタルで映える服をつくるために

通販ショップを利用した服飾系アイテムの販売が増えている現代のデザイナーなら、デジタルで映えるような服をデザインするスキルを身につけておきたいところです。スマホやパソコンといったデバイスを通しても、ついつい衝動買いしてしまうような魅力的な服づくりが求められていくかもしれません。
これからデザイナーを目指す方は、基礎的な知識や技術はもちろん、その先にあたる応用的な知識や技術を身につけることも視野に入れて、通う服飾大学選びをしましょう。

応用的な知識や技術を身につけるなら、デザイナーを目指せる服飾大学の中でも、実践を重視した授業を展開している学校をおすすめします。現場レベルの知識や技術を修得することができます。

消費者に対して、実際に商品を提供している企業では、常に“今”、さらには“未来”を意識した服づくりをしています。そんな企業の現場でプロジェクトを手掛ければ、“今”や“未来”を見据えた服づくりができるようになるでしょう。デジタルで映える服づくりはもちろん、それ以外の消費者ニーズを捉えた服づくりもできるようになります。

まとめ

通販ショップを利用した服飾系アイテムの購入は、今後当たり前になると予想されます。通販ショップはメーカーにとって大きな魅力があるものの、導入するにはいくつかの懸念点も見られます。通販ショップを利用した服飾系アイテムの販売が増えている現代のデザイナーには、デジタルで映えるような服づくりのスキルが求められていくでしょう。

デニムジャケットのデザイン調整をするスタッフ